攻撃による情報流出のニュースが絶えない昨今にあっては、セキュリティエンジニアの仕事が増加するのは自然なように思われる。
マルウェアとの戦いはいたちごっこだ。2000年には “I Love You” と書かれたメールを開くとウィルスに感染するといった事態が横行し、約150億ドルもの被害をもたらしたが、今や不用意に差出人不明のメールを開いたりはしないだろう。現在においては、同じくマルウェアの1つであるトロイの木馬による情報の盗用が大半だとも言われているが、おそらくこれもいたちごっこだろう。
既存のマルウェアへの対策のみならず、近年発展の目覚ましいIOTが火種になりかねないのだ。家電などをネットに接続するのにも対策を講じなければマルウェアの巣窟となってしまい、家電が破壊されるなどの被害の恐れがある。
IOT版のファイアウォールとでもいったものが必要になるのだが、これはソフトを作るだけではなく、各人の使用環境からどういった脅威が考えられるかを注意喚起することも必要である。ソフト製作というエンジニア的側面のみならず、マネジメント的側面もこれからのセキュリティエンジニアには求められるのだ。
さらには、この先AIが脅威となり得る可能性も否定できない。カーツワイルによれば、2045年には人間の能力を超えるという。メインフレームが汎用PCへと変化したように、将来AIは誰もが使用しているかもしれない。
そこには悪用される可能性が常につきまとい、人間の能力を上回ったAIによる怒涛の攻撃も想定できないことはないだろう。